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森一敏
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 07都市整備常任委員会行政視察 
(2007年10月1日〜3日)

香川県高松市  丸亀町商店街再開発事業のとりくみ
  同 直島町  環境歴史文化のまちづくり
            ベネッセハウス、地中美術館、家プロジェクト 等

 随行の議会事務局員を含めて都市整備常任委員会の一行9人は、一日は、高松市の中心商店街丸亀町商店街の再開発事業を、二日目は香川県直島のアートと歴史文化環境のまちづくりを精力的に視察しました。いずれも、金沢市の都市政策の中心テーマです。
 丸亀町商店街も他聞に漏れず、郊外への大型商業施設の相次ぐ出店(一人当たりの大型店床面積は全国有数だそうです)によって、空洞化がすすんできました。まだ元気があるうちに手を打とうと、商店主たちが一念発起しました。大規模な再開発には、何十億円という巨費がかかります。ひとりたりとも抜け落ちていかないよう、低コスト再開発を追求。そのために土地所有と商店経営(土地利用)を切り離すという離れ業を採用したのです。地権者が共同出資でまちづくり会社である「丸亀町壱番街株式会社」を設立し、出店者には、店舗スペースを貸し出すのです。これに都市計画関連の国の補助金を加えて、廉価で店舗が出せるようにしたのです。残りの街区でも、今後、同視した隣接の区画で最小限の規模で再整備することもよしとする方式も検討されているようです。印象に残ったのは、商店営業世帯が、ここで暮らしながら商売をするというコンセプトで、そのために不足業種を洗い出し、出店を調整しているということでした。商店街が生活空間に位置付くというのは、哲学としてひきつけられるものがりました。
 もう一つ印象に残ったのは、アーケード内を行き交う自転車の多さです。愛用自転車を盗難やいたずらから守り、自転車での来街を促すために、5時間以上で100円の駐輪設備を三カ所設置してあるのです。機会仕立ての格納式です。設備費は一億円だそうで、これのみでは赤字だそうですが・・・。

 二日目は、四国フェリーにのって、高松港から小一時間。白砂青松の直島に上陸しました。直島はここ数年の間に有名になり、国内外から飛躍的に観光客が来島するようになりました。20年前に開発に目をつけたのは、福武書店社長(当時 現在教育産業で飛ぶ鳥を落とす勢いのベネッセコーポレーション)でした。風光明媚なこの島に、子どもたちの体験学習の拠点をつくりたい。開発計画が頓挫していた島の南六分の一の土地を買収して、少年キャンプ場の整備、美術館とホテルを兼ね備えるベネッセハウスの建設、地中美術館の建設、そして、島民を巻き込んでの家プロジェクトへとすすんできました。
 一方直島町は、8年前に持ち上がった隣りの豊島に不法投棄された産業廃棄物の中間処理施設を香川県の要請を受けて、議論の末に誘致しました。廃棄物も人間が生み出したもの、文化芸術も人間が生み出したものと、逆転の新しい創造の発想に立って、まちおこしに転用してきたと言います。転じて、歴史と芸術・文化と環境調和のまち直島へどうぞというわけで、ベネッセの事業部が先導しながら斬新な現代アートをまちぐるみで発信してきました。昨日も、若い女性たち、外国人の観光客がたくさんやってきていました。
 地中美術館は、現金沢21世紀美術館秋元館長の前任施設であり、六本木ヒルズの森美術館と姉妹提携を結んでいます。現代作家タレルの名が目に残りました。芸術家とまちをつなぐコーディネーターとして斬新でよく練られた発想と事業が展開していて、受験産業であるベネッセの別の顔が見られました。
 家プロジェクトでは、住処である民家が、表札とは別に屋号を表示し、のれんを製作してまちの歴史的な風情を演出していました(写真)。ほとんどが代々三菱マテリアルの従業員世帯だそうですが、今は芸術のまちづくりに参画しているそうです。土産物売り場では、香川県が007映画を誘致する運動を展開していて、誘致運動の顔として活動する日本人ボンドガール、007役の英国青年とも出会いました。

 四国は造形芸術のメッカになりつつあるそうで、直島のソフトハード両面の夢のある島起こしは確かに興味深いものでした。行政と民間事業者の関係のありかたについては、少々考えさせられたことも事実でした。見方によっては、ベネッセに委ねられたまちとも言えるのでしょう。
  


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